149 「僧衣でできるもん」動画についてはノーコメント。

最近、お寺さんへ仕事で行くと必ず話題になるのが「僧衣でできるもん」動画の件です。

ご存知でない方のためにご説明しますと、福井県で僧衣のまま運転していた僧侶が警察官に停められて「運転に支障がある衣類で運転している」と違反切符を切られたことが反発を招き、異議を唱える僧侶たちがネット上に「僧衣でできるもん」と僧衣のまま器用に縄跳びをしたりジャグリングをしたりする動画が拡散され、話題になっているというもの。

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これについてどう思うか、とお坊さんから頻繁に聞かれるのです。やはり気になる案件なのでしょう。

私の見解は、まず「警察のやり方は不公平である」ということ。他にも着物を着たり、ヒラヒラした服を着たり、いかにも運転しにくそうな衣類で運転している人など沢山見かけます。あまり大きな声で言えませんが、夏場など私もビーチサンダルで運転したことがありまして。お坊さんだけを見咎めるというのは、いかにも気の毒ですね。

ただし、だからと言ってそれがOKというのはいかがなものかと。運転に支障がある可能性はやはり否定できないでしょう。お坊さんの僧衣に限らず評価基準をしっかり定める配慮がないと反発は止まらないと思います。

一方でお坊さん側にも、そのような声が上がったということは強く認識していただきたいもの。車が開発される以前の時代から着ている僧衣について、伝統や歴史を笠に着て反発するのはいささか無理があります。「お盆の季節はスケジュールが一杯だから着替えなどしている暇がない」というのは暴論ですね。伝統や歴史を重んじるのであれば、徒歩でどうぞ、というしかないでしょう。

例えば時代の趨勢に合わせ、運転しやすい僧衣を検討すべきではないかと。実際、浄土真宗系ではスーツの上から着用できる簡易な僧衣がありますので。これは時代に合わせた配慮です。そしてまた、車のメーカーにも運転しやすさの追求課題として、この件をぜひ検討材料としていただきたいもの。

「僧衣でできるもん」動画についてはもともと問題提起の意図があるのでしょうが、曲芸を見せたいだけで本質からズレているようにしか思えません。これ以上はノーコメントでw

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ヒントルームLABO 代表・岡橋秀樹

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