046 「オレの目の黒いうちはホームページを作らない」住職と私。

以前、私が主にホームページ制作の仕事をしていた頃(6,7年前)の話です。

あるお寺の副住職と御縁ができて、ITにご興味があるとのことで打ち合わせにお邪魔しました。応接間で2時間ほどアレコレお話をさせていただいたのですが、「じゃあウチでもホームページを開設してみようかな〜」という展開に。営業マン的にはもう一押し!というところでしょうか。

すると、玄関の方からドタバタと足音が。どなたかが帰ってきたのかな?と思っていたら、すぐに応接間の襖がガラッと開きました。住職のお帰りです。住職は私を一瞥するや一言「お前、誰だ?」。

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この対応で、どのようなお人柄かがすぐに想像できました。確かに私は営業にお邪魔して、図々しくも応接間に上がり込んでいます。しかし、だからと言っていきなりお前呼ばわりされる筋合いはありません。正直、かなりイラッときたのですが努めてにこやかに「〇〇〇社の岡橋と申します。ホームページ制作の件で打ち合わせにお邪魔しております。よろしくお願いいたします」と丁寧にご挨拶させていただきました。

すると「ホームページ?そんなのオレの目の黒いうちはやらん!」とぴしゃり。そのまま襖もぴしゃりと閉められて、微妙な空気だけが漂いました。副住職のバツの悪そうなお顔を今でも思い出します。「岡橋さん、申し訳ない…」と副住職。

もちろん、そんなことで傷つくような私ではありません。営業をしていれば同じようなことはあります。例えば企業で担当の課長や部長にご興味をいただき、社内稟議を通そうとしたら社長からNGを食らったとかはよくあることですから。

むしろ私は、この副住職のことを心底お気の毒だと同情しました。厳しい時代を迎えるお寺がこのままではダメになってしまうかもしれない。自分が何とかしたいという気持ちでIT化を視野に入れての打ち合わせだったのですが、お父様である住職から「オレの目の黒いうちは」言われてしまっては何もできません。大体「オレの目の黒いうち」ってあと何年?住職はおそらく60歳代半ば頃でしたので、まだあと20年は目が黒送です(失礼)。その間は副住職が新たな時代への対応はできないということですか?そんなことをしていたら本当にお寺がダメになってしまうかもしれません。残念ながらそれ以来お会いしていないので、このお寺がどうなったのかは分かりませんが。

このようなお寺はまだまだ多いかもしれませんね。目の上のタンコブのような住職が居ないにしても、今後にお悩みのお寺さんも多いのではないかと。よろしければまずはお話からでもどうぞ。ホームページなしでも検索エンジンに対応できる新企画も用意しております。いつでもお問い合わせ下さい!

 

 

ヒントルームLABO 代表・岡橋秀樹
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