028 休みが取れなくなってきた“究極のサービス業”。

「奈良や大阪では友引でも火葬の仕事が入るようになってきました」

あるお坊さんと話をしていてこんな話を聞かされました。通常、友引は日柄的にお葬式を行わないので前日の夜に通夜が入ることもなく、ほっと一息をついて休むことができるとのことです。関東では友引の日に火葬場が完全に休みだとか。それが最近では日柄に関係なくなってきたようです。

さすがに火葬場はまだかなり空いているようですが、お坊さん曰く「これで休みが取れなくなることも増えましてね」。仕事があると思えば…と苦笑いです。

葬儀社さんや火葬場も大変ですが、これらは人員のローテーションで乗り切れます。しかしお坊さんはなかなかそういう訳にいかない場合もあるので大変。とはいえ今はお寺さんの仕事も激減している時代ですし、葬儀を上げる側も日柄を問わない合理性を求めるのが普通になってきたのではないかと。

以前は「出産は日時を選べない」ものでしたが、これで完全に「葬儀も日時を選ばない」世の流れになってくるかもしれません。お寺さんの仕事は究極のサービス業とも例えられるので、やむを得ないでしょう。そういえばヒントルームのお坊さん向けイベントもわざわざ友引の前日の夜に設定していたのですが、今後は配慮が必要?

新時代のお寺さんの仕事について、そしてどのように思想を変革させるかについて様々な意見・情報を交わすことができました。それによって私も方向性の再確認と準備を急ぐべき企画を明確にすることができました。取り組むべき課題は山積ですが、一つ一つ現代的合理性を追求しつつ丁寧に軟着陸できるよう心掛けて参ります。

ヒントルームLABO 代表・岡橋秀樹
https://twitter.com/hintroom
https://www.facebook.com/hintroom/